« September 2007 | Main | November 2007 »

October 2007

Oct 26, 2007

私もサクラさんの氷食べたい!【メガネ】

2005年に公開された「かもめ食堂」。
シンプルなのにとても心にじ〜んと響く映画でした。
ここ数年、こんなに心に響いた映画はなかったかも。

そのスタッフが新しく作ったのが現在公開中の『めがね』。
「かもめ食堂」の荻上直子監督、主演が小林聡美、もたいまさこ。
これは見ずにはいられません。

070702_megane_main

【ストーリー】
主人公タエコさん(小林聡美)は都会の生活に疲れたのか、一人南の島へと旅にする。
着いたところは、観光するところなど何もない、空と海しかないところ。

宿の主人ユージ(光石研)、同居人の犬のコージ。
春になると訪れる謎の常連客サクラさん(もたいまさこ)。
よくわからないけど、宿にいりびたる高校で生物を教えているハルナさん(市川実日子)。
タエコを追ってやってきた青年ヨモギ(加瀬亮)。

この人たちを中心に、最初は心を開いていなかったタエコさんが、徐々に不思議な女性サクラさんに魅入られていく…というような話です。

ぶっちゃけ、ストーリーに起承転結があるわけでもなく、登場キャラの説明もない。
でもなんだか、ほんわかした暖かさのある、不思議な映画です。


070622_megane_sub1

タイトルの「めがね」。
どうしてこんなタイトルがついたのでしょう。
登場人物が全員めがねをかけています。だから?
いえいえ、ラストの「あのシーン」を見て、どうしてこのタイトルがついたのか、少し分かったような気がしました。ネタバレになるのであえて書きませんが、そのシーンでタエコさんの心の棘がぜーんぶすっ飛んでいったように思いました。


撮影は南の島(与論島)で行われたそうです。
白い浜辺、透き通るような海、そして青い空。
見ているだけで、自分も南の島に行ったような気になります。

そしてもう一つ重要なアイテムが、食べ物。
この映画、とにかくみんないろんなものを食べます。
ユージさんが作る朝食、夕食がむちゃくちゃおいしそう。
特に凝った料理じゃないんです。
プレーンなサケ、お味噌汁、卵焼き、納豆、梅干し、ごはんだったり、目玉焼きとトーストだったり。どこにでもありそうな朝食なんだけど、すごーく美味しそうなんですよね。


みんなでバーベキューやったり、伊勢エビを食べたり、本当に美味しそう。
そして、実に飲みやすそうなジョッキで、みんなビールを飲んでいます。
そのビール(サッポロ黒ラベル)が、めちゃくちゃ美味しそうなんですわ。
映画見ながら、なんど「ビール飲みてぇぇ!」と叫びたくなったことか(苦笑)


謎の女性、サクラさんは島の人じゃないんだけど、毎年春になるとこの島にやってきて、浜辺で氷屋さんを開きます。島の人たちは店に訪れて氷をおいしそうに食べます。小豆とシロップだけのかき氷なんだけど、これがまた実に美味しそう。昭和レトロなかき氷機でジャリジャリと氷をけずって出来上がるかき氷が、これまた本当においしそうなんですわ。
面白いのが支払い方法。現金じゃなくて物々交換。
農作物をもってくるおばちゃんもいれば、自分で折った折り紙を持ってくる女の子。

070622_megane_sub2

なんとも言えない不思議な映画。
でも、気持ちが良い映画です。
見終わったあと、とても幸せな気持ちになる映画です。

最後にもう一つ。
大貫妙子さんの主題歌も、ほんとうにいい歌でした。


■めがね
■監督:荻上直子
■出演:小林聡美、もたいまさこ、市川実日子、加瀬亮 、光石研
■2007年 日本


映画「めがね」オリジナル・サウンドトラック映画「めがね」オリジナル・サウンドトラック
大貫妙子 サントラ


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


papyrus (パピルス) 2007年 10月号 [雑誌]papyrus (パピルス) 2007年 10月号 [雑誌]


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


| | Comments (9) | TrackBack (30)

Oct 10, 2007

不幸だけど幸せ【自虐の詩】

「日本一泣ける4コマ漫画」という異名を持つ『自虐の詩』が、堤幸彦監督によって映画化されました。
もともと原作者・業田良家のファンだったこともあり、原作本を先に読んでいたのですが、映画も漫画に負けず劣らず、涙が出るほど不幸であり、幸せな物語でした。

【ストーリー】
無職で酒乱、ギャンブルに明け暮れる夫イサオ(阿部寛)と、その夫を支えつつ近所の食堂で働く幸江(中谷美紀)。ビンボー生活だけど、夫と一緒にいることが何よりの幸せ、という二人の前に、幼い頃銀行強盗で捕まった幸江の父親(西田敏行)が現れる…。イサオと幸江、二人をとりまくハチャメチャな人たちとの、小さな幸せ物語〜。


326554view001
些細なことでブチ切れて、ちゃぶ台をぶちまける夫イサオ。


決して劇的な展開があるわけじゃないけれど、笑って、泣いて、でも見終わったあと何だか心が温まる、そんな映画です。(漫画もそうなんだけど)。


子供の頃から幸薄かった幸江さん。
幼い頃、母が家出。ずっと父親と二人暮らし。この父親がまたダメな男でロクに稼ぎもしないのに、酒と博打にカネを使っちゃう。小学生の頃から新聞配達や造花作りで家計をささえてきた幸江。ところが、中学生の頃、惚れた女に貢ぐため、銀行強盗を働いた父は逮捕され、町にいられなくなった幸江は東京へ……。

326554view005
良い感じのダメオヤジぶりがたまりません。


東京に出てきたものの、幸せにはなれず、挙げ句の果てに薬中のたちんぼになってしまった幸江さん。そんな彼女を影ながら支え、愛してきたのが当時ヤクザだったイサオ。彼女を幸せにするため、イサオは指をつめてカタギになり、二人の生活が始まりました。


とーころが、ところが。
やっぱりイサオもダメ夫。女房の稼ぎをふんだくっては、酒とギャンブルにつぎ込んでしまう。
健気に働く幸江さんを、「幸ちゃんを、幸せにしたいんだー!」と求婚しまくる食堂の店主(遠藤憲一)。幸江、イサオが住むアパートの隣人で、イサオがちゃぶ台をひっくり返す回数を数えているオバちゃん(カルーセル麻紀)など、二人をとりまく人たちも、なかなかの強者揃い。


326554view008
ギャンブル好きの割にはムチャクチャ弱いイサオ。

不幸せのどん底を味わっているような幸江さんなんだけど、彼女の笑顔を見ていると幸せそうなのが、とても不思議であり、そこが心温まるところでもあります。
原作と同じラストなんだけど、このシーンは号泣でした。
子供の頃、一緒にビンボーのどん底生活をしていたクラスメイトの熊本さん。
「私たちは離れていても親友だよ」
そういって、幸江さんが町を出るときに、見送ってくれた熊本さん(アジャ・コング)との再会は、涙無くしては見られません。
漫画読んでも泣いちゃったけど、映画でもやっぱり泣いちゃいました。


けっこう暗い話なんだけど、ここは堤監督!
堤監督らしい、こまい笑いが満載です。映画を見て何度も「プププッ…」と笑ってしまったことか(笑)。
中谷美紀×堤幸彦=ケイゾク、阿部寛×堤幸彦=トリック。夢のコラボ(?)。←系の笑いと言えば、おわかり頂けるでしょうか。


やっぱり一番の見所はCGですが、イサオのちゃぶ台をひっくり返すシーンは必見です。
かなり、笑えます(爆)


自虐の詩 (上)自虐の詩 (上)
業田 良家


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


自虐の詩 (下)自虐の詩 (下)
業田 良家


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


自虐の詩日記 (幻冬舎文庫 な 20-4)自虐の詩日記 (幻冬舎文庫 な 20-4)
中谷 美紀


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


&Operation

自虐の詩ナビゲートDVD いつまでも七転八倒 ~森田幸江 篇~自虐の詩ナビゲートDVD いつまでも七転八倒 ~森田幸江 篇~
中谷美紀;阿部寛;遠藤憲一;カルーセル麻紀;松尾スズキ;竜雷;名取裕子;西田敏行 堤幸彦


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

| | Comments (2) | TrackBack (2)

Oct 08, 2007

ニコールよ、お前もか…【インベージョン】

先日、オスカー女優ハル・ベリーの超B級映画『パーフェクト・ストレンジャー』をみて、ガックリしたところでしたが、更なるとほほな映画を見てしまいました〜。

ニコール・キッドマン主演『インベージョン』。
共演がNew 007ことダニエル・クレイグ。いやおうなしに期待してしまった私が悪いんです。


【ストーリー】
ある日、スペースシャトルが原因不明の事故で地球に墜落。その残骸の中には、謎の生命体が紛れ込んでいた。やがて間もなく、感情を失ったように人間の行動を変質させる謎の伝染病が発生するのだった。そんな中、精神分析医のキャロルはこの病原体が地球上のものではないことを突き止める。そして友人の医師ベンたちと共に分析を進めると、そのウィルスは睡眠中の者に感染し、人間ではない何かに変えてしまうものだと判明する。さらに、最愛の息子オリバーがウィルスの拡大を阻止する鍵を握っていることも分かるが、元夫に預けていたオリバーは行方が分からなくなってしまっていた…。(allcinemaより)


326990view001


ジャック・ニフィの古典傑作SF小説「盗まれた街」の映画化。しかも4度目だそうです。
リメイクしすぎじゃありませんか? 最近ハリウッドってほんとにネタ切れなんですかね。
未知のウィルスから息子を守ろうとする精神科医キャロルをニコール・キッドマンが演じ、その恋人で医師のベンにダニエル・クレイグ。出演陣はけっこう豪華です。4度もやるぐらいなんだから、さぞ面白いんだろうな! とやっぱ期待しちゃうわけです。


しかし……しょっぱなから漂うB級感。
ストーリーが進むにつれ、不安は確信になりました。

これって、単なるゾンビ映画じゃん


未知なるウィルスに犯された人たちは、姿カタチは人間のまま。しかしまるでロボトミー化されてしまったようになります。ウィルスにインベージョン(Invasion=侵入、侵略、襲来)されちゃった人は、次なる獲物(人間)を見つけると、口から「エクソシスト」に出てきたようなゲロっぽいものを「ゲゲッー!」と相手に吐き出します。するとウィルスは皮膚から体内に吸収され、レム睡眠に陥ったとき体内でウィルスが覚醒し、目覚めると「人間ではない何か」に変わっちゃうという話です。
ゾンビ映画と違うのは、汚染された人の外見が変わらないぐらいかな。

326990view003


何がつまらなかったんだろう。
見終わった後考えてみました。
そして結論

ダニエル・クレイグが脱がない!


そうなんです。
「007 カジノ・ロワイヤル」で見せたあの肉体美が、今回は一切披露されることなく終わってしまったからです!
もったいないなぁ…ニコール・キッドマンの裸は見たくないけど、ダニエル・クレイグのだったら、見たかった〜。


というのは半分冗談(ってことは半分本気)ですが、古典SFだから仕方ないのかもしれないけど、ストーリーもパッとしないし、未知なるウィルスも所詮ウィルスだから、ビジュアル的に見応えがあるわけじゃないし、なによりも一番トホホだったのが、結末です。これじゃM.ナイト・シャマランの映画じゃん! と一人ツッコミを入れたくなりました(分かる人だけ分かってください)。


ハル・ベリーもそうだけど、ニコール・キッドマンもヤバいんじゃないでしょうか?
せっかくトム・クルーズと分かれて幸せになったかと思ったら、再婚相手のカントリー歌手はアル中だし。
出演する映画だって、もうちょっと選んだほうがいいんじゃないか…人ごとながら心配してしまいました。


ちなみに、この映画の監督オリヴァー・ヒルシュビーゲルは、ドイツの名優ブルーノ・ガンツ主演『ヒトラー 〜最期の12日間〜』(2004)、そして低予算映画ながら大ヒットした『es [エス]』(01)を撮った監督です。両作品とも見ましたが、とてもいい映画を撮っていた監督なのに…ハリウッド・デビューしてコレかよ〜とがっかりしてしまいました。

■インベージョン(原題THE INVASION)
■監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
■主演:ニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグほか
■2007年 アメリカ 96分

| | Comments (0) | TrackBack (11)

« September 2007 | Main | November 2007 »